東京海上・がんとたたかう投信、コロナショックを乗り越えて設定来の最高値を更新

 東京海上アセットマネジメントが設定・運用する「東京海上・がんとたたかう投信」のパフォーマンスが好調だ。19年7月26日に設定・運用を開始し、20年5月末時点の設定来騰落率(税引前分配金再投資)は為替ヘッジなしで+24.1%、為替ヘッジありで+23.3%。コロナショックにより一時的に基準価額が大きく下落したものの、20年5月末に設定来高値を更新し、6月は一段高になった。同ファンド設定の狙いと、同ファンドが着目する「がんとたたかう」市場について、東京海上アセットマネジメントに聞いた。

――「東京海上・がんとたたかう投信」がコロナ禍を越えて順調な運用成績を残しています。そもそも、このファンド設定の狙いは?

まずは、今回新型コロナウイルス感染症にかかられた方、および、ご家族、関係者の皆さまには謹んでお見舞い申し上げます。一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。また、日々新型コロナウイルス感染者の治療にあたられている医療関係者の皆さまにも感謝申し上げます。

東京海上・がんとたたかう投信は、ヘルスケアセクターの中でもがん関連企業に着目して運用を行っています。当ファンドは、魅力的、かつ、成長性が期待されるがん関連企業への投資による収益性の追求と、ファンドを通じてがん関連企業や研究機関を応援することで、将来的にがんが「普通に治る病気」になるための支援という社会貢献性を兼ね備えたファンドであると考えています。社会貢献という観点では、当ファンドでは主要投資対象の外国投資証券を通じてがん研究施設等へ報酬の一部を寄付も行います。

近年、がん関連企業に注目が集まっていますが、その理由としてはがん治療の分野で大きなイノベーションが起きており、多くの企業ががん治療を重点分野として研究・開発・商品化に向けて動いていることがあげられます。

これまでのがん治療は「外科的治療(手術)」「放射線治療」「化学療法(抗がん剤)」による治療が主流でした。これらの治療はがんに罹患、進行してからの治療であり、かつ体への負担が大きい治療法でした。

しかし、近年では遺伝子解析の進歩によりがんのメカニズムが徐々に解明され、がんの早期発見技術の進歩や、遺伝子解析技術の低コスト化により患者毎に最適な治療が可能となり、治療面でも、重粒子線治療や手術支援ロボットによる患者への負担が少ない施術や、オプジーボやキイトルーダ、キムリアなどがん細胞を狙い撃ちする薬も出てきています。世界的に高齢化が進み、新興国においても所得拡大等による生活水準の向上等を受け、がん治療へのニーズは今後も高まっていくと考えており、がん関連事業は長期的な成長分野と考えます。

また、がん治療に関しては、社会にとって必要不可欠な分野であり、景気や経済動向によって事業を縮小・中断しにくい分野といえます。

――「がん関連市場」の成長について、具体的な予測される成長率や市場規模等を教えてください。

まず、がんという病気は日本において38年連続で死因第1位であり、世界で見ても心筋梗塞などの心血管疾患に次ぐ第2位となっています。多くの方ががん治療の発展を望んでおり、がんが治る病気になることを望んでいます。

こうしたがんですが(世界保健機関)の予想によると世界のがんによる死は2018年の950万人から2040年には1630万人と約1.7倍になることが予想されています。また、がんの罹患率は高齢になるほど高まるといわれております。先進国ではすでに多くの国で高齢化が急速に進んでいます。さらに世界最大の人口を有する中国においても高齢化が徐々に進んでおり、がんの治療や早期発見に向けた診断を望む人は今後も増えることから、人口動態面で見るとがん関連市場は今後も成長することが見込まれます。

また、がん治療の主要分野の一つである治療薬に関しても、がん関連の治療薬は、2018年時点で主な治療薬の中で最も大きな市場となっており、さらに今後年率11.4%の市場拡大が予想され、2024年には約25兆円の市場規模になることが予想されます。

――ファンドを実質的に運用するカンドリアム・ベルギー・エス・エーは、ニューヨークライフ・インシュアランス・カンパニー傘下の運用会社ということですが、その運用の強みは?

当ファンドの主要投資対象である外国投資証券を運用する「カンドリアム・ベルギー・エス・」(以下、カンドリアム社)はベルギーを拠点としてファンドの運用を行っています。カンドリアム社の強みは、運用チームにあります。がん関連企業の分野の調査・分析には、医療分野において高い専門性が求められます。カンドリアム社の運用チームは、医学、理学、バイオテクノロジーの分野で学士・博士号を有しており、同分野の専門家が運用を行っていることが強みと言えます。

――最後に「東京海上・がんとたたかう投信」の受益者の方、また、ファンドに注目している個人投資家へのメッセージをお願いします。

日本人の2人に1人は生涯で1回はがんにかかるといわれています。当ファンドでは、がんとたたかう企業への投資を通じて、投資リターンの獲得を目指しつつ、がん関連企業およびがん関連の研究機関等を間接的に支援しています。

私どもはがんが「普通に治る病気」になるために投資家としてできることはあると信じており、それは投資信託を通じた企業の支援だと考えています。ぜひ個人投資家のみなさまと、当ファンドを通じた投資リターンの獲得とがん関連企業のサポートを一緒にできればと考えています。(図版は、「東京海上・がんとたたかう投信」の設定来のパフォーマンス)