コロナショック時、3分の1のファンドが最大下落率を更新、バランスが最多

 コロナショックに見舞われた20年3月から5月にかけては、設定来の最大下落率を記録するファンドが相次いだ。足元の金融市場は、3月の大底からの回復基調が続き、一時のパニック的な状況からは落ち着きを取り戻しているが、世界ではコロナの感染拡大が続いているほか、米中関係の緊張が懸念されるなど、過度の楽観は禁物だ。

国内公募追加型株式投信(ETF除く)において、20年3月から5月の間に過去1年間の最大下落率が設定来最大となったファンドは1573本あった。ただ、中には3月から5月に設定から1年を迎えたファンドもあるため、これを除くと1503本となった。全体の本数(5月末時点の4972本)に占める割合は30.23%であり、実に約3本に1本が過去1年間のリターンのマイナス幅が設定来で最大を記録したことになる。月別では、3月が1279本(1503本に占める割合は85.10%)、4月が198本(同13.17%)、5月が26本(同1.73%)。3月の下落相場の凄まじさが改めてうかがえる。

最大下落率を更新したファンド数をモーニングスターカテゴリー別に見ると、最大は「バランス」で103本、以下、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」96本、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」と「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」91本と続いた。3月の急落過程では、株式やREITといったリスク性資産に留まらず、安全資産とされる国債などの債券にもリスク回避や利益確定目的の売りが向かった。バランス型ファンドには、分散投資によるリスク抑制効果が期待されるが、今回のコロナショック時では効果が不十分であったファンドが多々あったと言える。株式、REIT、債券と幅広い資産が急落する場面に対する備えの意識が求められよう。その点で、現金比率の引き上げなどで3月月次リターンがプラスを確保した「投資のソムリエ」は一つのヒントになる。

「バランス」に属する最大下落率を更新したファンドのうち、5月末時点の純資産残高の大きなファンドを見ると、「ダイワ 米国リート・プラス(毎月分配型)為替ヘッジなし」、「NWQフレキシブル・インカムファンド 為替ヘッジなし(毎月決算型)」、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」となった。

「ダイワ 米国リート・プラス(毎月分配型)為替ヘッジなし」は米国リートと米ドル建てのバンクローン等の投資成果に連動する債券に投資。「NWQフレキシブル・インカムファンド 為替ヘッジなし(毎月決算型)」は、投資適格社債やハイイールド社債のほか、優先株式、転換社債、普通株式などに分散投資する。「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、対象とするインデックスファンドを通じて、基本的に、国内・先進国・新興国株式、国内・先進国・新興国債券、国内・先進国REITの8資産に均等に投資する。

いずれも3月に大幅に下落して最大下落率が設定来最大を更新。4、5月はプラスのリターンとなっている。