ハイクオリティ成長株式ファンド「未来の世界」、ESGを加味した新ファンドの魅力を聞く

 アセットマネジメントOneが設定・運用する「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド『愛称:未来の世界』」は、先進国や新興国、また、為替ヘッジの有無など、シリーズ7本の合計残高が約9750億円に達する人気ファンドだ。そこに、新たにESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を加えた「グローバルESGハイクオリティ成長株式(H無)『愛称:未来の世界(ESG)』」が7月20日に新規設定される。ESGの要素を企業価値向上の観点から考慮し、中長期に高い成長が期待できる企業に厳選して投資するという。新ファンドの特徴について、アセットマネジメントOne戦略運用本部 マルチマネジャー運用グループ 第1チーム長の滝口圭介氏に聞いた。新ファンドは6月22日から、みずほ証券で申し込み受付を開始する。

――「未来の世界」は、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界』」がファンドオブザイヤー2019で優秀ファンド賞、「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『愛称:未来の世界(新興国)』」は最優秀ファンド賞を受賞するなど、優れた運用成績を残しています。ここにESGの要素を加味した判断を加えると、パフォーマンスには、どのようなインパクトが期待されるのでしょう?

「未来の世界(ESG)」が既存の「未来の世界」と異なる点は、運用プロセス上では3つあります。

1つ目は、投資アイデア創出の切り口が従来は「定量スクリーニング」「情報ネットワーク」「パターン認識」「ディスラプティブ・チェンジ分析」の4つであったのが、これに「ESG評価」を加えた5つになることです。「ESG評価」では、長期的に企業の競争優位性や企業価値を高めるような、環境及び社会的課題への取り組みに注目します。ESGを投資上の制約ではなく、新たなビジネスチャンスや、企業価値向上の機会を与えるもの、という新たなレンズを通して見ることで優れた企業を抽出します。投資アイデア創出の切り口が増えることで、ハイクオリティ成長企業を見つけ出す機会も増加することが期待できます。

2つ目は、ポートフォリオの構築時に、ESGの観点から望ましくないと考えられる業種(酒、たばこ、ギャンブル、化石燃料の生産、武器の製造など)や企業統治面で評価の劣る企業(国による株式保有比率が高い企業など)を除外することです。これは従来のESGファンドでも行われることの多い、ネガティブ・スクリーニングです。

3つ目は、ESG評価に基づき、銘柄の組入れ比率を増減させることです。企業のクオリティ分析と株価評価を踏まえて一旦決定した組入比率をベースに、最終的にESG評価の相対的に高い銘柄の組入比率は引き上げ、低い銘柄の組入比率は引き下げます。調整の結果、組入比率が一定基準以下となった銘柄についてはポートフォリオから除外し、ポートフォリオに残った銘柄の組入比率を代わりに引き上げます。ESG評価および投資判断の確信度が高い銘柄への集中度を高めることで、より高いリターンを獲得することを狙っています。

1つ目と3つ目はいわば「攻めのESG」、2つ目は「守りのESG」と言えます。ESG評価に基づく組入比率の調整を行う結果、「未来の世界」と比較し組入銘柄への集中度は高まり、銘柄数は少なくなります。このため、短期的なボラティリティは「未来の世界(ESG)」の方が若干高くなると予想されます。一方、企業のESGへの取り組みは、1年や2年といった短期間ではなく、もっと長期にわたって競争優位性の差、ひいては株価のリターンの差にあらわれてくるものです。5年、または、それ以上の長期では、「未来の世界(ESG)」のリターンがより高くなる可能性もあると考えています。

――「未来の世界(ESG)」で取り入れるESG評価とは、具体的にどのようなものでしょうか?

ESG評価にあたっては、各企業の取り組みを全体的な視点で分析することが重要と考えています。外部の格付け機関に見られるような、「ディスクロージャー(情報開示)の姿勢が良い」とか「同一産業内で他社より環境負荷が少ない」といった断片的な評価を足し上げて、合計点でESGの優劣を評価するようなやり方は、「その企業のESGへの取り組みが企業価値向上にどうつながっていくのか」という視点に欠けており、長期にわたっての競争優位性やビジネス・ファンダメンタルズを評価する役には立ちません。事業の徹底的な分析を通じて、社会に役立つ事業を実践し、それにより収益を上げられる、「真に持続可能な企業」を見つけ出すことが責務と当運用チームでは考えています。

例えば、プラスチック製品の代替製品を開発・製造する企業は、ESGの浸透に伴い、新しいビジネスチャンスを捉えることができます。また、質の高い教育機会を提供し、オンラインの活用により教育機会を創出する企業は、社会に貢献すると同時に事業を中長期的に拡大することができます。革新的な働き方改革や多様な人材の採用を行う企業は、優秀な人材を獲得できるため、彼らの活躍により持続的に業績を拡大できる可能性は高くなるでしょう。環境や社会にダメージを与える企業を除外するという一般的なESGのアプローチに加え、ESGがもたらす新たなビジネスチャンスや、企業価値に与える直接・間接的な好影響という側面に従来以上に注目していきます。

――シミュレーション等で、「未来の世界(ESG)」の具体的なパフォーマンスのイメージは?

ジャッジメンタルな運用(ファンドマネジャーが定性的な判断を行う運用)戦略ですので、バックテストやシミュレーションで得られる情報の有用性は高くないと考えていますが、モデルポートフォリオをベースにしたシミュレーションでは、リスクは「未来の世界」と同等かやや高く、リターンは「未来の世界」を上回る良好な結果が得られています。

――最後に「未来の世界」の受益者の方、また、ファンドに注目している個人投資家へのメッセージをお願いします。

経済の先行きが不透明な昨今、市場の見通しや投資への影響について多くのお客様から質問を頂いていますが、私たちの答えは常に同じです。株式投資において重要なのはいつ買うべきかというタイミングではなく、どれだけ長い期間保有するかです。

過去100年を振りかえると、自然災害や武力衝突など多くの障害があったにもかかわらず、株式市場は年間で約10%のリターンを創出してきました。つまり、平均的な投資家は、7年間で投資元本を2倍にできた計算になります。長い時間軸でリターンを考えることがとても重要です。

今回ローンチする「未来の世界(ESG)」では、従来以上に長期的な視点を持ちポートフォリオを構築します。ESGの重要性の高まりが大きな投資機会になる、との考えにご賛同いただけるお客様や、高いリターンはもちろん、投資を通じて社会をより良いものにしたいと考えるお客様に、最適のファンドであると考えています。購入をご検討いただけますと幸いです。(図版は、「未来の世界」と「未来の世界(新興国)」の過去1年間のパフォーマンス)