期間4年で年利1%をめざす、「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド」の第2弾設定へ

 マイナス金利時代に年1%の利回りが期待できると話題になったHSBC投信の満期固定型債券ファンドの第2弾が7月31日に設定される。「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-07(限定追加型)」は、3月31日に設定された第1号ファンドと同様にドル建てで満期まで4年未満の社債を中心に投資し、基本的には投資した債券を償還まで持ち切る運用で、信託報酬等の運用コストを控除後で年1%利回りの獲得をめざす。定期預金など期間が決まっている安定運用の金融商品で資産を増やしたいというニーズに応えるファンドだ。

第1号ファンドである「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-03(限定追加型)」は、今年3月31日に設定。6月16日現在の基準価額は10298円、純資産総額は94億99百万円になっている。設定後に、基準価額が9736円(4月6日)に一時的に落ち込んだ局面もあったが、その後は、世界的な金融緩和・金利低下の動きに支えられて、基準価額は1万円を安定的に上回り、6月9日は10339円の高値を付けた。3月31日から4月24日までは時価で購入が可能な追加設定期間だったが、この間の基準価額の動きは9736円を安値に、高値は10069円。追加設定を受け入れて基準価額が10006円で迎えた4月30日の純資産残高は92億80百万円だった。

このファンドの最大の特徴は、投資対象となる債券が、全て同ファンドの信託期間である4年間に償還する債券に投資すること。債券は、一般的に額面で発行され、定期的に利息を受け取り、満期時には額面で償還される。債券を満期まで保有することによって、額面で資金を回収することができる。日本を含む世界各国の企業が発行するドル建ての社債に投資するが、4年間の期間固定の対円為替ヘッジを行うことで、為替変動リスクを取らないようにしている。その上で、投資する債券を選定し、為替ヘッジコストや税込み年0.968%の信託報酬などの運用コストを控除したのちに日本円ベースで年約1%の利回りを確保することをめざす。

たとえば、20年5月22日時点で作ったモデルポートフォリオでは、平均残存期間3.57年、平均最終利回り年3.65%が確保できた。期間4年で為替ヘッジコストは年0.90%、信託報酬を控除したのちの平均最終利回りは年1.78%になった。第1号ファンドが企画された20年1月10日時点では、平均残存期間3.75年で平均最終利回り4.05%のポートフォリオができたが、為替ヘッジコストが1.98%で控除後の平均最終利回りは1.102%だったので、この時よりも良い条件で運用が開始できる見通しだ。ただ、市場の債券価格は日々変動し、ヘッジコストも市場環境によって変わってくるので、実際の運用ポートフォリオについては7月31日の設定まではわからない。

同ファンドは、満期償還の確度が高い債券で、残存期間が4年未満を条件に、運用コスト控除後に年1%を上回るポートフォリオになるよう投資債券を選定する。ポートフォリオは15%程度を格付けが低く利回りが高いハイイールド債にしている。このため、運用期間中に、デフォルト(債務不履行)リスクが高くなったと判断される銘柄は、償還を待たずに売却するなど、ポートフォリオのメンテナンスを行う。これまで、同種の債券ファンドの運用でデフォルトになったことはないという。アジアや欧州では、このような期間限定の債券ファンドへの需要が高まり、HSBC投信も所属するHSBCグローバル・アセット・マネジメントが運用する同種のファンドの設定額は約11兆円に上っている。

第1号ファンドの募集にあたったのは、みずほ銀行、千葉銀行、クレディスイス証券だったが、第2号ファンド「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-07(限定追加型)」は、三井住友銀行、千葉銀行、第四北越証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の4社が取り扱い、7月1日から募集が始まる。1万口あたり1万円で購入できる当初募集期間は7月30日まで。翌31日から8月7日までは時価で購入できる。定期預金や個人向け国債など期間限定の安定利回り金融商品を好むような顧客に、より強いニーズがあると考えられる。現在の定期預金金利は4年で0.002%。個人向け国債(6月債)は固定5年で0.05%だ。これに対して、年1%の利回りが期待できる商品は魅力が大きい。

老後資金など20年、30年という長期の運用ではなく、子どもの学資や住宅取得の頭金など、数年の間に使うことが決まっている資金を少しでも増やしたいというニーズは必ずある。この場合には、元本を割り込むようなリスクのある商品は避けたい。このファンドの場合は、原則として信託期間が満了する24年7月31日まで持ち切ることが望ましいが、それ以前であっても残高の0.3%の信託財産留保額を支払えば中途解約も可能だ。資金の目的に応じて、期間限定の債券ファンドも上手に使っていきたい。(図版は、「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-03(限定追加型)」の設定来の基準価額の推移)