「ピクテ 新興国インカム株式」分配金過去最低に引き下げ、“債券代替”期待の一方…

 ピクテ投信投資顧問が運用する新興国株式ファンド「ピクテ 新興国インカム株式(毎月決算型)」が10日、1万口当たりの分配金を従来の15円から5円に引き下げた。分配金の引き下げは18年9月以来1年9カ月ぶりで、08年1月の設定来では最低水準となる。

分配金の引き下げについては、「基準価額の水準と、新型コロナウイルスの企業業績等への影響と信用収縮の懸念など先行き不透明感等も考慮した」と説明。基準価額は10日時点で1484円となっている。

新興国の高配当株に投資を行うファンドで、5月末時点の組入銘柄の予想平均配当利回りは5.2%。純資産残高は10日時点で1211億円となり、モーニングスターカテゴリー「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」内で第2位の代表的ファンドだ。もっとも、近年は資金が流出傾向にあり、直近の5月(モーニングスター推計値)含め25カ月連続で純資金流出となっている。

今後については、過去に新興国株式がアジア通貨危機やロシア危機からの本格回復まで時間を要した点に触れ、今回も短期的には警戒が必要としつつも、PBR(株価純資産倍率)が1.5倍と低水準に落ち込んでいることから長期的には株価の上昇が期待できるとの見方を示した。

同カテゴリーに属する毎月分配型ファンドの残高上位は、第1位の「アジア・オセアニア好配当成長株(毎月)」も基準価額が1614円、第3位の「三井住友・アジア・オセアニア好配当株式」も3803円と低水準のファンドが目立つ。いずれも6月は20円の分配金を維持した。

毎月分配型の残高上位3ファンドは第2位の「ピクテ 新興国インカム株式」も含め、いずれも高配当株式ファンドだ。各国で低金利環境が続く中で“債券代替”として配当が改めて注目される可能性がある。

一方、コロナ危機を受けて減配、無配とする企業が新興国でも広がれば、分配金の原資となる収益に影響が及ぶリスクもあり、注意が必要だ。