「THE ASIA 5G」、6月の純資金流入額は5.7倍、中国は5Gに重点投資

 投資信託協会のデータによると、「次世代通信関連 アジア株式戦略ファンド(愛称:THE ASIA 5G)」(以下、同ファンド)の6月の純資金流入額は113億円と前月比5.7倍増となり、国内公募追加型株式投信(ETF除く)の中で上位9位となった。「純資金流出入額」は、ファンドの流入額から流出額を引いて求められ、ファンドの人気を測る指標として用いることができる。同ファンドに対する注目度が高まっているといえよう。

同ファンドは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが今年2月14日に設定。世界の上場企業の中から、日本を含むアジア諸国・地域での次世代通信技術「5G(第5世代移動通信システム)」の発展による恩恵が期待される「アジア次世代通信関連企業」の株式に投資する。米国のニューバーガー・バーマン・インベストメント・アドバイザーズ・エル・エル・シーが実質的な運用を担う。

直近の純資金流入額を見ると、4月に12億円、5月に20億円となり、6月は100億円超となった。コロナショック後に米国を中心とする世界の株式市場で、ポストコロナ関連として5G関連銘柄を物色する動きが強まり、同ファンドの資金流入の拡大に繋がった。5月末基準の月次レポートによると、同ファンドでは「『コロナ後の世界』の勝ち組となる可能性がある企業に注目」しており、eコマース(電子商取引)や遠隔医療関連銘柄に着目している。

設定直後にコロナショックに見舞われ基準価額が約30%下落する場面も見られたが、3月下旬以降は回復し、7月15日時点の設定来のリターンは13.29%とモーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均(▲5.74%)を19.03%上回っている。

5月末時点のポートフォリオに占める組入上位3カ国を見ると、日本18.32%、中国16.28%、台湾12.57%となっており、アジア地域の合計は66.24%に達する。アジア地域には、25年までに世界最大の5G地域になるとの観測があるが、中国が5月に行われた全国人民代表大会(全人代)で「5G」など今後の成長期待分野へ重点的に投資する方針を示したこともあり、5G化が加速する可能性がある。同ファンドに対する関心が一段と高まるか注目される。

なお、三井住友トラスト・アセットマネジメントでは、「世界の次世代通信関連企業」に投資する「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」(愛称:THE 5G)を17年12月から運用している。「THE ASIA 5G」と同じくニューバーガー・バーマン・インベストメント・アドバイザーズ・エル・エル・シーが実質的に運用している。「THE 5G」の20年6月末時点の年初来リターンは4.91%とカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均(▲7.24%)を12.15%上回り、カテゴリー内上位14%(288本中38位)となっている。純資金流出入は20年5月まで13カ月連続で純資金流入となっていたが、20年6月は227億円の純資金流出と「THE ASIA 5G」と対照的な結果になった。