日興アセット×米アーク、破壊的イノベーションに着目したファンド群が抜群のパフォーマンス

 日興アセットマネジメントが米調査会社アーク・インベストメント・マネジメント・LLCからの助言をもとに運用するグローバル・ファンドの運用成績が好調だ。2016年12月設定の「グローバル・フィンテック株式ファンド」を皮切りにスタートした両社の戦略提携は、これまで主だったファンドとして5シリーズ8本を設定・運用している。その8本のファンドは、全て基準価額が1万1000円を越えて成長し、純資産総額合計は1兆円に迫っている。7月31日には新ファンド「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)」の設定も控えているが、コロナショックを乗り越えて存在感を増す両社の提携から目が離せない。

アーク社は「イノベーションこそが成長の源泉である」という考え方のもと、時代の先端に現れる「破壊的イノベーション」にフォーカスして調査している調査会社だ。同社が考える破壊的イノベーションは「劇的に生産性の向上をもたらすこと」「劇的なコスト低下をもたらすこと」「他のイノベーションを創出するプラットフォームであること」――という3つ。現在進行中の破壊的イノベーションとして「ゲノム解析」「ロボティクス」「ブロックチェーン」「エネルギー貯蔵」「人工知能」に注目し、それぞれで専門的な見地から調査を続けている。日興アセットは、同社の優れた調査レポートに注目し、16年12月に同社の調査に基づいて銘柄選定を行う「グローバル・フィンテック株式ファンド」を設定し、さらに、17年8月には同社に一部出資するとともに戦略的パートナーシップを締結し、共同で運用商品開発などを行ってきた。

18年1月にはMaaS(Mobility-as-a-Service)に着目する「グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド」を設定。同年8月には宇宙をテーマにした「グローバル・スペース株式ファンド」、19年1月にはバイオ技術に着目した「グローバル全生物ゲノム株式ファンド」、そして、同年6月には総合型といえる破壊的イノベーションに関わる企業に投資する「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」を設定している。

これらのファンドは、それぞれ注目する技術分野が異なるため、投資する企業群の顔ぶれも大きく異なっている。「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」こそ、横断的なファンドであるため、その他のファンドと投資銘柄が重なる部分もあるが、たとえば、最新の月報によると「モビリティ」(5月末現在)の組み入れトップは米テスラだが、「フィンテック」(6月末現在)は米スクエア、「ゲノム」(5月末現在)は米イルミナ、「スペース」(6月末現在)は米イリジウム・コミュニケーションというように、それぞれの事業分野で知る人ぞ知る企業群に投資している。「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」は、米テスラにもスクエアにもイルミナにも投資をしている。しかも、各ファンドの投資銘柄数は41銘柄~55銘柄と比較的絞り込んで投資していることも特徴だ。

ファンドのパフォーマンスは、6月末現在の1年間のトータルリターンでは、「グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド」の41.66%を筆頭に、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」の39.86%、「グローバル・フィンテック株式ファンド」が39.60%、「グローバル全生物ゲノム株式ファンド」が37.52%、「グローバル・スペース株式ファンド」は5.04%という成績だ。過去1年間の株式インデックスは、米NASDAQ総合指数(円ベース)が23.87%だが、米国株式のS&P500(配当込み、円ベース)が6.43%、先進国株価指数のMSCIコクサイ(除く日本、配当込み、円ベース)は2.71%、全世界株式のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)は2.03%である。世界の株価指数と比較するとアーク社が助言するファンドのパフォーマンスの高さが分かる。

現在のところ、運用実績は、最も長いファンドで3年6カ月。その「グローバル・フィンテック株式ファンド」のトータルリターン3年は年率24.23%になっている。3年間にわたって毎年24%で資産が増えた計算で、現在の基準価額は2万4000円台。3年半で元本が2.4倍になった。この他のファンドについても実績を積み重ねることができれば、運用についての信頼感が高まることになる。日興アセットとアーク社の連携に注目したい。(図版は、日興アセット×米アーク社の代表的なファンドの過去1年間のトータルリターンの推移)