「eMAXIS Slim」がトップ3を独占=ネット証券の投信積立契約件数ランキング20年7月

 大手証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、20年7月)で総合1位から第3位までを三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズが独占した。「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、6カ月連続でトップを堅持している。5カ月連続で第2位だったニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、「eMAXIS Slim」に押し出されるカタチで同ポイント3位に後退した。

ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

「eMAXIS Slim」シリーズは、ネット専用インデックスファンドシリーズとして、主要な市場指数に連動するノーロード(販売手数料無料)のインデックスファンドをシリーズとして揃えるとともに、その信託報酬の水準を「業界最低水準」に引き下げることをシリーズの特徴として打ち出している。インデックスファンドについては、2018年1月にスタートした「つみたてNISA」をひとつのきっかけとして、資産運用のコストといえる信託報酬の引下げ競争が激化した。

市場インデックスの連動する成果を目指すという商品性から、インデックスファンドは運用成果で差別化できる商品ではないため、ファンドの評価には「運用コスト(信託報酬)」という意識が投資家に強く、その強いニーズに応えるため、「eMAXIS」や「<購入・換金手数料なし>」シリーズ、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」シリーズ、大和アセットマネジメントの「iFree」シリーズなど低コストを謳う代表的なインデックスシリーズは、新商品の投入のたびに、低コストを強調するような信託報酬を設定し、また、他社から低いコストの商品が出るたびに、既存のファンドの信託報酬を引き下げるという競争を繰り返した。

その結果として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は年率0.0968%(税込み)と、年0.1%を下回っている。これは、業界に先駆けて年0.1%を下回る水準でインデックスファンドを設定した「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」の年0.0938%への対抗として設定されたものだ。

「eMAXIS Slim」シリーズは、「業界最低水準の手数料」にこだわり続けた結果、MSCIコクサイ指数に連動する「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は年0.1023%、同じ指数に連動する「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の年0.1023%と同じ最低水準。MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は年0.1144%であり、全世界株式指数に連動するインデックスファンドの中で信託報酬が最低水準になっている。

このような強いブランドへのこだわりが、結果的に長期的な積立投資を狙うネット証券の投信積立契約件数ランキングでトップ3を独占する快挙につながったといえる。現在、インデックスファンドの手数料引き下げ競争は、ひとまず収束したような状況にある。さすがに、年0.1%を下回る水準に引き下げた手数料率から、さらに下を打ち出す運用会社は表れてはいない状況だ。このままでは、「eMAXIS Slim」が「投信積立では最も低コストなファンドシリーズ」というポジションを確立してしまうことになる。このままで終わるのだろうか? 運用会社各社のインデックスファンドシリーズの動きは、今しばらくは注目が怠れない。