6月末までマイナス32%からプラス14%になったパフォーマンス、コロナが押し下げたファンドの運用成績

 今年3月のコロナショックによる急落から、主要国の株価は6月までに急速に値戻しした。投資資産別カテゴリーに属するファンドのパフォーマンスを平均したモーニングスターインデックスで、6月末を基準にして過去1年間のトータルリターンを求めると、中国株式に投資する「国際株式・中国(F)」が13.96%でトップになった。一方、最下位はブラジル株式に投資する「国際株式・ブラジル(F)」でマイナス31.55%になるなど、同じ新興国株式の中でも投資先国によるパフォーマンス格差が目立った。また、全68インデックス(ブルベア型除く)のうち、プラス圏にあるのは27インデックスにとどまり、コロナショックによる下落ダメージの大きさもうかがえる。

6月末基準で過去1年間のパフォーマンスを調べると6月に史上最高値を更新した米国株式のNASDAQ総合(円換算)が23.87%、S&P500(配当込み、円換算)が6.43%、新興国を含む世界株式(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス、配当込み、円換算)が2.03%、そして、国内株式のTOPIXが0.49%となっている。世界の株式に分散投資していた場合、6月末時点ではおおむね1年前の水準に資産価値が戻っている計算だ。

半面でパフォーマンスが悪かったのは、新興国株式と内外REITだった。3割以上のマイナスになったブラジル株式の他、「国際株式・エマージング・単一国(H)」がワースト2でマイナス22.82%、「国際株式・インド(F)」がワースト3でマイナス20.30%が続く。新興国株式は中国を除けば、軒並み厳しいパフォーマンスになっている。また、国際REITも「国際REIT・グローバル・除く日本(F)」がマイナス16.57%、「国際REIT・グローバル・含む日本(F)」がマイナス15.31%とパフォーマンスが厳しい。コロナショックで世界のビジネスが寸断され、失業率が急速に悪化するなど景気が急変悪化した影響を大きく受けてしまったのが、これらのカテゴリーだった。

一方、債券は、「国際債券・グローバル・除く日本(F)」が3.31%、「同・除く日本(F)」が0.81%など、先進国の中長期債券を中心に、マイナス3%~プラス3%の水準に収まった。2ケタ水準で価格がブレる株式と比べてリスクを抑えたパフォーマンスになっている。

これらモーニングスターインデックスが表すのは、それぞれの資産クラスの平均のパフォーマンスだ。個別ファンドのパフォーマンスは、この限りではない。たとえば、平均が13.96%と最も良かった中国株式ファンドでも、個別のパフォーマンスはマイナス8%を超えるものもある。

実際に自分自身が投資しているファンドのパフォーマンスの良し悪しは、個々のファンドの運用成績だけを見ていても判断はし難い。個々のファンドについてモーニングスターのホームページでは「カテゴリー」を表記している。このカテゴリーに属しているファンドのパフォーマンスの平均が、図表にあるモーニングスターインデックスのトータルリターンだ。この図表で示した平均リターンと同等か、より良い成績が残せているのであれば、そのファンドの運用は、過去1年間はうまくいったといえる。

今後を展望すれば、現在の市場は、コロナ禍の影響が、どの程度のダメージを世界市場に与えたのかを慎重に見極めようとしている段階だろう。1年前と比較して20%以上もマイナス水準にあるインド株式やブラジル株式の評価は、正しいのだろうか? 感染拡大が続く現在ではブラジルやインドの経済は確かに厳しいのだが、ワクチンや治療薬が意外と早く開発されるものであれば「売られ過ぎ」という見方もできるかもしれない。反対に、1年前よりも23.87%も値上がりしたNASDAQ総合指数は、「買われ過ぎ」とはいえないだろうか? ちょうど1年の半分を迎えた今、客観的なデータに基づいて、現在の運用成績について中間評価を行うには良いタイミングだ。(図版は、20年6月末基準でモーニングスターインデックスのトータルリターン1年のベスト・ワースト10)