「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」が付与44カ月目で初の5ツ星獲得

 20年7月末時点でモーニングスターレーティング付与対象のファンドは4360本となり、前月より19本増加した。同月末時点における純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は2802本で、うちレーティング新規24本、上昇206本、変わらず2325本、低下247本という内訳であった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンド、及び新規に5ツ星を獲得したファンドについて取り上げる。なお、レーティングは運用実績3年以上のファンドを対象としている。

レーティングが5ツ星に上昇したファンドは42本あり、そのうちモーニングスターの大分類別ではバランス型が13本で最も多く、国際債券型9本、国際株式型7本が続いた。

今回注目される5ツ星ファンドは、ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(愛称:クアトロ)」(以下、当ファンド)。モーニングスターレーティングは前月の4ツ星から上昇し、16年12月の付与開始後44カ月目にして初めて5ツ星を獲得した。

当ファンドは、実質的に、日本を含む世界の株式・債券等といった伝統的な資産に投資するほか、REIT、コモディティなどへの投資やロング・ショート戦略(割安と判断される資産を買建て、割高と判断される資産を売建てる投資手法)などオルタナティブ戦略にも投資するバランス型ファンド。市場環境に応じて資産配分を機動的に変更することにより、下落リスクを低減しつつ中期的に安定した収益を獲得する「負けない運用」を目指す。20年7月末時点の投資対象別構成比は、株式24.9%、債券50.0%、オルタナティブ18.3%、キャッシュ・短期金融商品等6.8%。

20年7月末時点の5年トータルリターン(年率)は1.94%とモーニングスターカテゴリー「安定成長」平均(0.56%)を1.38%上回り、カテゴリー内上位10%(229本中22位)。コロナショック時に現金比率を引き上げる(1月末時点の9.5%に対して3月末時点は15.1%)など保守的な運用戦略を選択したことが奏功し、20年7月末時点の6カ月のトータルリターンも1.92%とカテゴリー平均(▲3.76%)を5.68%上回り、カテゴリー内上位4%(342本中11位)となっている。

新規に5ツ星を獲得したファンドは24本あった。その中で、三菱UFJ国際投信が運用する「サイバーセキュリティ株式オープン」シリーズの2本(為替ヘッジあり、為替ヘッジなし)に注目したい。

同シリーズは、日本を含む世界のサイバーセキュリティ関連企業の株式に投資する。実質的な運用は、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ユーエス・エルエルシーが手掛ける。純資産残高の大きな為替ヘッジなし(20年7月末時点で2132億円)の20年6月末時点の国・地域別組入上位を見ると、米国84.2%、韓国5.2%、日本2.8%と米国の比率が高い。

20年7月末時点の3年トータルリターン(年率)は25.68%とモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」平均(2.94%)を22.74%上回り、カテゴリー170本中トップとなった。同月末時点の6カ月のトータルリターンは18.73%とカテゴリー平均(▲5.83%)を24.56%上回り、カテゴリー内上位5%(219本中9位)。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワーク需要が高まる中、サイバーセキュリティの需要も増加し、関連銘柄の株価が上昇した。