20年上半期の純資産残高増加上位-米国株ファンド優勢の中、「投資のソムリエ」などバランス2ファンドがランクイン

 国内ファンド(ETF除く、20年設定ファンド除く)を対象に、20年上半期の純資産残高増加額(20年6月末時点の純資産残高の19年12月末時点に対する増加額)の上位10ファンドを見たところ、米国株式への投資比率の高いファンドが8ファンドを占める中で、内外の株式・債券に分散投資するバランス型2ファンドがランクインした。

純資産残高はファンドの規模を示す。運用会社により毎日算出され、株式・債券といった投資先資産を時価評価した後に債券の利息や株式の配当金などを加え、信託報酬や分配金などを差し引いて計算する。運用成績、資金流出入、分配金の支払いが主な増減要因となる。対象とした国内ファンド5177本のうち、コロナショックに見舞われた20年上半期に残高が増加したファンドは1267本(24.47%)に留まった。

純資産残高増加額上位10ファンドのうち、「マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド」と「投資のソムリエ」のバランス型2ファンドを除く8ファンドは、米国株式型もしくは20年5月末時点で米国株式への投資比率が最も高いファンド。うち、S&P500連動型の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を除く7本は同月末時点で業種別比率のトップが「情報技術」となった。

20年上半期の米国株式市場でS&P500が4.04%下落し、業種別でも全11業種中9業種が下落した中にあって、情報技術は14.21%上昇と際立った上昇率を示した。米国IT関連株式に投資するファンドは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたテレワークなどの需要増加期待を背景に投資家の資金が向かい、株高と相まって純資産残高増加額上位の多くを占めた。20年上半期の純資産残高増加額トップの「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド」は、純資金流入額においてもトップ(1637億円の純資金流入)であった。

バランス型ファンドのうち、「マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド」は、世界各国の株価指数先物、債券先物等に投資するほか、デリバティブ取引によりレバレッジを活用。目標ボラティリティ10%を維持しつつ、あらゆる市場環境において超過収益の獲得を目指す。

19年11月の設定後、純資金流入が継続しており、20年上半期の純資金流入額は794億円で国内ファンド上位。20年6月末時点の年初来リターンは▲1.16%とマイナスとなったが、モーニングスターカテゴリー「バランス」平均(▲6.37%)を5.21%上回り、カテゴリー内上位8%(319本中25位)と底堅い。

「投資のソムリエ」は、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・先進国のREITが主要投資対象。月次で基本配分戦略を決定するほか、急激な投資環境の変化に対応するために日次で機動的配分戦略を実施する。基準価額の変動リスクを年率4%程度に迎えながら、安定的な収益の獲得を目指す。

コロナショック時にリスク性資産(新興国債券、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内REIT、先進国REIT)の比率を引き下げる一方、安定資産(国内債券、為替ヘッジ先進国債券)と現金等の比率を高める戦略が奏功し、20年6月末時点の年初来リターンは2.56%とカテゴリー「安定成長」平均(▲4.87%)を7.43%上回り、カテゴリー内上位1%(338本中3位)。20年上半期の純資金流入額も444億円で国内ファンド上位。また、リスクに見合ったリターンを得られているのかを見る指標であるシャープレシオを見ると、20年6月末時点の過去5年間のシャープレシオは0.85とカテゴリー平均を0.75上回りカテゴリー内上位1%(227本中2位)と、長期的なパフォーマンスにも優れている。順調な資金流入と良好なパフォーマンスにより残高が増加した。